皆さん、こんにちは。調理師のおかけんです。
朝晩、めっきり涼しくなってきました。今年は残暑もそれほど長引かなかったように感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな季節の変わり目にぴったりの、豚汁についてお話ししたいと思います。
汁物一杯で、身体の内側から温める
気温が下がり始めるこの時期、まず変えていただきたいのが、汁物の存在感です。
夏の間は喉ごしの良い冷たい汁物や、さっぱりとしたお吸い物が中心だったという方も、そろそろ具だくさんの温かい豚汁に切り替える頃合いです。
汁物は、飲んだ瞬間から身体を内側からじんわりと温めてくれるので、この時期の冷え込み対策には理にかなった一品だと感じています。
根菜と豚肉、この組み合わせが良い理由
具材には、大根、人参、ごぼう、れんこんといった根菜に、豚肉を合わせるのがおすすめです。
土の中で育つ根菜は、煮込むことでじっくりと味噌の旨みを吸い込み、噛むほどに満足感のある一杯に仕上がります。そこに豚肉が加わることで、根菜だけの汁物よりもぐっとコクが増し、食べ応えのある一品になります。具材が多い分、これ一杯で野菜もお肉もしっかり摂れるのも、豚汁の嬉しいところです。
下ごしらえのひと工夫
ごぼうは、ごま油でしっかりと炒めてから煮込むのが、味の決め手です。
香ばしい香りが立つまでじっくり炒めることで、ごぼう本来の風味が引き立ち、汁全体にその香りがふわりと広がります。この一手間があるだけで、いつもの豚汁が、ぐっと風味豊かな味わいに仕上がります。豚肉も、根菜と一緒にこのタイミングで軽く炒め合わせておくと、さらに旨みが増します。
だしと味噌の組み合わせ
根菜と豚肉には、かつおや昆布でしっかりととっただしがよく合います。
具材を先にだしで柔らかく煮込んでおき、最後に味噌を溶き入れることで、根菜の甘みと豚肉のコク、味噌の風味が一体となった、奥行きのある一杯になります。仕上げに、刻んだねぎや七味唐辛子を添えれば、香りも一層引き立ちます。
作り置きにも向いています
具だくさんの豚汁は、多めに作っておいて、翌日以降にうどんやご飯を加えてアレンジして楽しむのもおすすめです。根菜は時間が経つほど味が染み込むので、作り置きにも向いています。毎朝少しずつ温め直しながらいただくのも、この時期らしい楽しみ方かもしれません。
「調理師おかけん」からのひとこと
季節の変わり目は、知らず知らずのうちに身体が冷えやすくなる時期です。冷たいものが恋しかった夏から、温かいものがほっとする季節へ。その入り口として、まずは汁物から見直してみるのはいかがでしょうか。根菜と豚肉がたっぷり入った豚汁一杯で、この先の冷え込みに負けない身体づくりを、少しずつ始めていただければと思います。
(執筆者プロフィール)
おかだけんいち (おかけん)
日本料理 調理師

