9月も半ばを過ぎ、朝晩にはようやく秋の気配が感じられるようになってまいりました。そんな涼風に触れながら、ふと「あの猛暑は一体なんだったのだろう」と、8月の終わりに訪れた京都の旅を思い出しています。
何度も訪れている大好きな京都ですが、実はこれまで「上賀茂神社」や「下鴨神社」といった超有名なお社には一度も行ったことがありませんでした。というのも、私はどうも地図が得意ではなく、「まあ、京都のどのへんか北の方にあるんだろうな」くらいの非常に大雑把な感覚でいたのです。
この日も「よし、思い立ったが吉日!」とばかりに京都へ飛び出したのですが、暦の上では立秋を過ぎたというのに、気温は35度のカンカン照りでした。
阪急烏丸駅からバスに揺られること約30分。まずは北の上賀茂神社(正式には「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」というそうです)に無事到着しました。幸運なことに宮司さんのご案内を受けることができ、古くからの神社の成り立ちや歴史など、ためになるお話をじっくり伺うことができました。凛とした境内でお参りをしていると、不思議とすーっと暑さが引き、心まで洗われるような、清々しい気持ちになったものです。
さて、無事に参拝を終えて「さあ帰ろうか」と思ったその時、ふと頭をよぎりました。 「待てよ、上賀茂へ来たのなら、下鴨神社にもお参りせねば、なんとも心残りではないか。
そう、これは決していわゆる“ついで参り”などではありません。京都の歴史を彩る二大社を巡る、極めて誠実で立派な二社参拝なのです。「どうせなら三社巡りにすればもっとご利益があったかも」などと欲も湧きますが、まずは下鴨神社を目指すことに決めました。
……が、ここからが本当の試練の始まりでした。
バスに乗ればよいものを、何を思ったか賀茂川沿いから北山通へと歩き始めてしまったのです。川沿いの道は日を遮るものが何ひとつなく、容赦ない直射日光が突き刺さります。
そして京都府立植物園などを横目に見ながらひたすら歩くこと1時間以上。北山通といえばおしゃれなカフェやショップが立ち並ぶ素敵な街並みなのですが、もはや散策どころではありません。下を向き、水分を補給し、暑さに耐えながらふらふらと歩き続けました。
ようやく下鴨神社にたどり着いた頃には、時計の針は午後4時。さっそく参拝を済ませ、御朱印をいただこうと授与所へ向かったのですが、ここでまさかの事実が判明します。受付はなんと「午後4時まで」。残念ながら、直筆の御朱印はいただけませんでした。
帰りは無理をせずバスで京都河原町まで。車内は外国人観光客でいっぱいでした。途中、どの停留所にも律儀に止まり、乗り降りする利用者の多さには、ちょっとびっくりいたしました。
今振り返って何より残念だったのは、思いつきで出かけたために下調べを怠っていたことです。あとから知ったのですが、両神社の近くには有名な「やきもち」や「みたらし団子」のおいしいお茶屋さんや和菓子屋さんがあったのだとか。しかもこの日はあいにくのお休みの曜日……。
汗だくになり、御朱印にもお菓子にも振られ、足はパンパン。数々のハプニングに見舞われた1日でしたが、9月の落ち着いた風の中で振り返ってみれば、それもどこか愛おしく、味わい深い夏の終わりの大切な思い出です。
今度は気候の良い季節にしっかりと下調べをして、授与所の時間も確認し、美味しいおまんじゅうのリベンジを果たすべく、ぜひまた訪れたいと思っております。
たまてばこ

