MENU
カテゴリー

うなぎだけがスタミナ源じゃない。土用の丑の日に知っておきたい、夏を元気に過ごす食の工夫

暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
7月も後半になりますと、スーパーやテレビで「土用の丑の日」という言葉をよく目にするようになります。
今回は、この昔ながらの風習に触れながら、シニアの皆さんの毎日の食卓に取り入れやすい、夏の食の工夫についてお話ししたいと思います。

そもそも「土用の丑の日」とは

2026年の土用の丑の日は7月26日(日)です。
「土用」とは、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前約18日間を指す言葉です。中でも夏の土用の期間にめぐってくる「丑の日」に、うなぎを食べる習慣が江戸時代から広まったといわれています。これは、暑さで食欲が落ちる時期に、栄養価の高いうなぎで滋養をつけようという、昔の人の知恵から生まれた風習です。
うなぎにはビタミンA・B群、良質な脂質が含まれており、昔から夏場に好んで食べられてきた食材のひとつです。

うなぎが苦手・食べにくい方も心配いりません

とはいえ、うなぎは価格も張りますし、脂が多く感じる方や、骨が気になって食べづらいという方もいらっしゃるでしょう。
実は、うなぎと似たような「夏の滋養食材」として昔から親しまれてきたものは、身近な食材の中にも見つかります。「うなぎそのもの」にこだわらず、いろいろな食材から季節の楽しみを見つけていただければと思います。

豚肉――ビタミンB1が豊富な食材として
豚肉には、糖質をエネルギーに変える働きに関わるビタミンB1が含まれていることで知られています。
薄切り肉をしゃぶしゃぶ風にさっと茹でれば、脂を抑えつつ、あっさりといただける一品に。玉ねぎやニラと一緒に食べる組み合わせは、昔から相性の良い食べ合わせとして紹介されることが多いようです。

卵――手軽に摂れる食材として
卵は調理の手間もかからず、少量からでも取り入れやすい食材です。
だし巻き卵や卵とじにすれば、喉ごしもよく、食欲が控えめな日でも口にしやすいのではないでしょうか。

山芋――夏の食卓に昔から取り入れられてきた食材
山芋のネバネバとした食感は、古くから夏の滋養食材として親しまれてきました。
すりおろしてとろろにすれば、うなぎと同様に「精のつく食べ物」として親しまれてきた一品にもなり、さっぱりといただけるのも魅力です。

梅干し――昔から夏に親しまれてきた保存食
梅干しにはクエン酸が含まれていることで知られており、酸味のある食材として昔から夏場によく用いられてきました。
おにぎりに入れるだけでなく、冷奴に添えたり、鰯や豚肉を梅煮にしたりと、その酸味が食欲をそそり、食が進みやすくなるという声もよく聞かれます。

無理をしないことも、夏を楽しむ工夫のひとつ

「せっかくの土用の丑の日だから」と、無理にうなぎを用意する必要はありません。大切なのは、この日をきっかけに「最近しっかり食べられているかな」と、ご自身の食生活を振り返ってみることです。
豚肉や卵、山芋など、普段の食卓にある食材でも、組み合わせ次第で夏らしい一品になります。

「調理師おかけん」からのひとこと

土用の丑の日は、うなぎを食べる日というより、「夏の食卓を見直すきっかけの日」だと私は考えています。
うなぎでも、豚肉でも、卵でも構いません。その日その日で無理なく食べられるものを選び、季節の食を楽しみ続けることです。
今年の夏も、ご自身のペースで、美味しく過ごしていただければと思います。

(執筆者プロフィール)
おかだけんいち (おかけん)
日本料理 調理師

目次