皆さん、こんにちは。調理師のおかだけんいちです。
いよいよ本格的な夏を間近に控える時期となりました。この季節は、梅雨の湿気や気温の変化から、なんとなく身体が重だるく感じたり、食欲が落ちてしまったりすることも増えますよね。
そんな初夏の食卓に、ぜひ迎えていただきたい旬の主役が「新生姜」です。
年中スーパーで見かける通常の生姜(囲い生姜)は、収穫したあとに数ヶ月ほど貯蔵して乾燥させたもので、強い辛みと茶色い皮が特徴です。一方で、初夏から夏にかけて収穫され、貯蔵せずにすぐに出荷されるのが「新生姜」です。

お店で見かける新生姜は、透き通るように白く、茎の付け根がほんのり美しいピンク色をしていますよね。あれは、みずみずしくて新鮮な“今しか出会えない”証拠です。
皮が非常に薄いので剥く必要もなく、スプーンの背で優しくこするだけで綺麗になります。そして何より、すりおろしたり刻んだりした瞬間に、部屋いっぱいに広がる爽やかな香りは、それだけでどんよりとした気分を吹き飛ばしてくれる力があります。
和食の世界では、この独特の爽快な香りを「涼」を演出する大切な要素として重宝してきました。
さらに、新生姜の持つ清涼感のある辛み成分には、胃腸の働きを活発にして食欲をそそる効果や、体内の余分な湿気を発散させて身体をシャキッと調える、薬膳のような素晴らしい知恵も詰まっています。冷たいものを食べすぎてお腹を冷やしがちなこれからの季節、シニア世代の身体を優しく守ってくれる頼もしい味方なのです。
「自家製ガリ(新生姜の甘酢漬け)」
お寿司屋さんでお馴染みの「ガリ」。新生姜を使って、ご自宅で驚くほど簡単に手作りできます。
【作り方】
甘酢を合わせる。水100cc、酢100cc、砂糖大さじ4を鍋に入れて合わせ、一度沸騰させて冷ます。
新生姜をよく洗い、皮付きのまま繊維に沿って薄切り(スライサーを使うと楽です)にする。
たっぷりの湯を沸かし、新生姜を1~2分程度湯がく。
湯がいた新生姜をざるに上げ、軽く塩を振って冷ます。
湯がいて冷ました新生姜の水気をきゅっと絞り、甘酢に漬け込む。
【調理師のワンポイントアドバイス】
甘酢は一度沸騰させることで、酢のカドが取れまろやかになり、新生姜は繊維に沿って切ることで食感が良くなります。
冷蔵庫で1ヵ月ほど日持ちします。そのまま箸休めにするのはもちろん、刻んで冷奴に乗せたり、お肉料理の添え物にしたり。自分で仕込んだ、手塩にかけた初夏の味を、ぜひ毎日の食卓で楽しんでみてください。
(執筆者プロフィール)
おかだけんいち 日本料理 調理師

