MENU
カテゴリー

【コラム】「古いから冷凍」はもう卒業。冷凍庫は魔法の箱ではない?調理師が教える“生き返る”冷凍術

こんにちは。調理師のおかだけんいちです。
ジメジメとした、食材が傷みやすい季節になってまいりました。冷蔵庫を覗いて「あ、このお肉(または野菜)、早く使わないと傷んでしまうから、とりあえず冷凍庫に入れちゃおう」……なんて、おまじないのように冷凍庫へ避難させている方はおられませんか?
ここで、少し耳の痛いプロの本音をお伝えさせてください。
「冷凍をしても、食材の鮮度は絶対に元には戻りません」

冷凍庫は時間を止める魔法の箱ではなく、時計の針を「少しだけ遅らせる場所」に過ぎないのです。 すでに傷みかけて水分が抜け、旨味が落ちてしまった食材は、冷凍して解凍しても、やっぱり「傷みかけの味」のまま。それどころか、冷凍庫の中でさらに乾燥が進み、いわゆる『冷凍焼け』を起こして、ますます美味しくなくなってしまいます。せっかくの食材がこれでは、本当に「もったいない」ですよね。

では、プロはどうしているのか。 答えはシンプルです。「一番新鮮で美味しい状態のときに、未来の自分のために冷凍する」。これに尽きます。
 「余ったから冷凍」ではなく、「買ってきたその日に、すぐに使わない分を見極めて、一番いい状態のまま冷凍庫へ直行させる」。 これが、解凍したときにお店の味をそのまま再現できる、本物の「始末の料理術」です。
特にこれからの季節、この「先回り冷凍」を知っておくだけで、無駄がなくなるだけでなく、毎日の調理が驚くほど楽になりますよ。

【調理師の知恵袋】
初夏から夏を乗り切る「旬野菜」の先回り冷凍3ステップ

これからの季節、食卓に元気をくれる「ゴーヤ」や「パプリカ」、そしてみずみずしい「ズッキーニ」といった今がまさに旬の夏野菜も、この先回り冷凍にぴったりの食材です。
どれも同じ方法で驚くほど手軽に保存できますので、ぜひ買ってきたその日の新鮮なうちに試してみてくださいね。

【基本の3ステップ】
① しっかり洗って、水気を完全に切る

野菜をきれいに洗ったら、ペーパータオルなどで水分を完全に拭き取ります。表面に水分が残っていると、冷凍したときに野菜同士が氷でくっついて大きな塊になってしまい、使うときに不便になってしまいます。この「しっかり水気を切る」ことが、プロ流の綺麗な冷凍の第一歩です。

② 好みの大きさにカットし、使いやすく工夫する
ゴーヤ: 縦半分に切ってスプーンでワタをしっかり取り除き、薄切りにします。
パプリカ: 縦半分に切って種とヘタを取り、細切りや乱切りにします。
ズッキーニ: よく洗って両端を落とし、5ミリ幅ほどの輪切りや半月切りにします。

カットした野菜は、チャック付きの保存袋にできるだけ平らになるように入れて冷凍します。こうしておけば、凍った後も袋の上から手でパキパキと簡単にほぐすことができます。「使う分だけ少しずつ取り出せる」ようにしておくのが、少人数世帯の暮らしを楽にする大切な工夫です。

③ 炒め物に「凍ったまま」使用する
これが一番のポイントです。使う時は、冷蔵庫に移して解凍したりせず、熱したフライパンに「凍ったまま」ポンと投入して炒めてください。 一度解凍してしまうと野菜の細胞から水分が流出してベチャッとしてしまいますが、凍ったまま強火で一気に炒め合わせることで、旬野菜ならではのシャキッとした抜群の食感と、鮮やかな色彩をそのまま活かすことができます。
ゴーヤのチャンプルーや、パプリカとズッキーニの肉炒めなどが一瞬で完成しますよ。

(執筆者プロフィール)
おかだけんいち 日本料理 調理師

目次