最近、月に一度の楽しみができました。それが、シニアの仲間たちでのコーラス練習です。
「歌うのは好きだけれど、合唱なんて久しぶりだなあ」
と思いながら参加したのが始まりでしたが、今ではすっかり生活の句読点となっています。
声を出して歌うと、どうしてあんなに気持ちがいいのでしょう。胸の奥にたまっていた空気が一気に抜けていくような、体の中がすっと軽くなるような、そんな爽快感があります。
シニアになると声帯も年齢を重ねていき、若い頃のようにスッと声が出ないことも増えてきますが、それもまた“今の自分の声”として愛おしく思えてきました。家にいてひとりで歌うのも楽しいのですが、グループで歌うとまったく違う世界が広がります。自分の声が、隣の人の声と重なり、ひとりでは決して作れない“音の景色”が生まれます。これが、なんとも言えず心地よいのです。
練習の最初には、必ず発声があります。深く息を吸って、ゆっくり吐いて、腹筋を意識して声を出す。これが意外と体に効きます。普段あまり使わない筋肉が目を覚ますようで、終わるころには体がぽかぽかしてきます。
「歌うって、こんなに全身を使うものだったのだ」と、毎回新鮮な驚きがあります。
そして何より、メンバーとの時間が楽しいのです。
みんな歌が大好きで、でも決して気負わず、和気あいあいとした雰囲気があります。休憩時間には、最近の健康の話や、昔の音楽の思い出、近所の美味しいお店の情報まで飛び交います。歌いに来ているのか、おしゃべりに来ているのか分からなくなるほどですが、それもまたコーラスの魅力です。
曲が仕上がってくると、練習のたびに少しずつハーモニーが整っていきます。
「あ、今のところ、きれいに揃ったね」
自分の声が誰かの声と溶け合って、ひとつの音楽になっていく。その喜びは、何度味わっても飽きません。
もちろん、うまくいかない日もあります。高い音が出なかったり、リズムがずれたり、歌詞を間違えたり。でも、そんな時こそメンバー同士で笑い合いながら、次の曲に進みます。
「まあ、今日はこんな日もあるよ」
そんな気楽さが、続けられる理由なのかもしれません。
歌うことは、心にも体にも良い影響があると言われますが、実際に続けてみるとその意味がよく分かります。声を出すと気持ちが晴れ、深い呼吸で体が整い、仲間と歌うことで心が満たされる。コーラスは、まさに“人生の後半にこそふさわしい趣味”だと感じています。
これからどんな曲に挑戦するのか、どんなハーモニーが生まれるのか、楽しみは尽きません。声が出にくくなっても、音程が揺れても、それも含めて今の自分の歌。その声を仲間と重ねながら、これからもゆっくり続けていきたいと思っています。
北千里アンサンブル

