稽古の帰り道、友だちと賑やかにおしゃべりをしながら駐車場へ向かっていた時のことです。足元には何もないはずなのに、突然つまずき、気づけば顔から地面に倒れ込んでいました。隣を歩いていた友だちは「一瞬で姿が消えたみたいだった」と驚いたそうです。幸い大きな怪我はなく、頬や肩、手足の擦り傷で済みました。それでも家に帰るとじわじわと痛みが広がり、「どうしてあんな場所で…?」「これがもっと強くぶつかっていたら…?」そんな思いが頭の中をグルグルと回り、しばらく落ち着きませんでした。そして、翌日からの数日は外に出る気力もなく、ほとんど引きこもり状態でした。体の痛みだけでなく、心の動揺も残っていました。
稽古仲間に囲まれて「大丈夫?」と声をかけられた時、恥ずかしさよりも痛みと不安の方が大きかったです。というのも、私の母はよく転ぶ人で、最後は転倒による足の骨折がきっかけで体力も気力も落ち、認知機能まで弱っていった姿を見てきたからです。いつも、「年を重ねてからの転倒は本当に危ないから気をつけてね」と周りに言う側だった私が、古希を前にしてその立場になったのだと痛感しました。
帰宅後は、友人に教わった通りまず冷やし、乾燥しないようワセリン状の軟膏で保湿をしました。顔の擦り傷はさほどではないですが、やはり跡が残らないかが一番心配でした。鏡を見るたびため息をつくばかり。頬の赤みが明日はどんな色になるのか、年齢によるくすみと重なって黒ずんで見えます。「一日も早く、何事もなかったように治ってほしい」と心の底から願いました。
それにしても、何でもない場所で転ぶというのは本当にショックです。ジムに通って運動していても、思っているほど足が上がっていなかったのかもしれません。年齢を重ねると、ほんの少しの油断が大きな怪我につながることを、改めて思い知らされました。
転倒を完全に防ぐことは難しいですが、家の中では足元に物を置かない、歩きながら夢中で話さない、軽い運動で足をしっかり上げる意識を持つ、段差や暗がりでは一呼吸おくといった、自分なりの小さな心がけの積み重ねが大切だと思います。
今回の出来事は、「転倒は誰にも起こりうる」という当たり前のことを、身をもって教えてくれました。どうか皆さんも、今日の足元をほんの少しだけ気にかけてくださいね。
まるおんぷ

